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間仕切り工事の耐用年数は?減価償却の考え方

2021-12-26

オフィスでは、防音や目隠しをすることを目的に間仕切り工事を行ってパーテーションを設置することが多くあります。

便利なアイテムですが、オフィスに導入する場合は経費として認められるものなのかも気になるところです。

今回は、オフィスで使用されるパーテーションや間仕切りの耐用年数の考え方や、減価償却について解説します。


間仕切り(パーテーション)における減価償却の考え方

パーテーションにはプラスチックや合成樹脂製の他に、ビニール素材や簡易なベニヤ板などで作られているものもあり、衝立のようにデスクを囲う形で設置しているのもよく目にします。

このような移動ができるパーテーションと、間仕切り工事を行い床から天井までの間仕切りを設置した場合とでは消耗品か固定資産として減価償却の対象になるかで経理上処理するパターンが異なります。

減価償却とは会計処理の一種で、設備投資に使用した費用を、対象になる資産が使用可能な期間にわたり費用分配することです。

パーテーションを設置した場合、固定資産となり、工事に100万円かかった場合は、100万円をパーテーションが使用できる期間で割って、それを毎年経費として計上します。

パーテーションは会社の資産として税申告した方が、経理上のメリットが大きくなります。


間仕切り工事は消耗品?固定資産?
オフィスのレイアウトを改装するとき、あるいはオフィスを引っ越しして内装工事を行う際に間仕切り工事をする機会も多いです。

最近ではデスクを簡易的なパーテーションで囲むといったシンプルな間仕切りの導入も増えていて、経理上で消耗品として処理するケースも多くあります。

移動式の簡易的なパーテーションを会社で購入した場合は、消耗品として経理上処理するパターンが多いです。

しかし、床から天井までの間仕切りを設置するために、業者に間仕切り工事を依頼した場合などは、パーテーションが固定資産として減価償却の対象となります。

ある程度大きな金額の場合、会社の資産として税申告する方がメリットが大きいので、減価償却で費用配分する会計処理も確認しましょう。

消耗品と減価償却の境目は厳格には定められていませんが、目安としてパーテーションの設置に10万円以上かかった場合は、建物付属設備としてパーテーションを固定資産として資産計上するのが一般的です。
オフィスの間仕切り工事は条件によって建物としての計上が可能

間仕切り工事に関して、税法上では設備投資の一つとして捉えられていて、間仕切りの種類によって減価償却の耐用年数が異なります。

つまり建物・機械といった固定資産として認められ、その構造・形状によって減価償却費の基準となる耐用年数が、税務省令によって具体的に定められているということです。

間仕切り工事はパターンによって耐用年数が変わる
パーテーションを減価償却として会計処理する際に重要になのが「耐用年数」です。

減価償却できる期間が耐用年数となり、自分で勝手に決めることはできません。

もしも耐用年数を会社側が決められるとなると、自由に節税ができてしまうことになるからです。

パーテーションに限らず、設備や備品をリースなどではなく現金で一括購入した場合は、固定資産として減価償却として会計処理することになりますが、それぞれの耐用年数は法律によって定められています。

ここからは、オフィスの間仕切り工事やパーテーションについて、それぞれの耐用年数を紹介します。

移動や取り外しができない『建物』扱いになる間仕切り



一から新たに壁をつくって、移動や取り外しができないようなパーテーションは建物の一部として扱われます。

スライド式のパーテーションも室内の壁とみなされる場合は取り外しが不可能な建物の一部としてみなされます。

建物扱いのパーテーションの耐用年数は、法律で15年と定められています。

移動させてレイアウト変更が可能な間仕切り



専門業者に間仕切り工事を依頼した場合でも、簡易に移動が可能なパーテーションは「建物付属設備・簡易なもの」として会計上仕分けされます。

具体的には「可動間仕切り」として販売されている、素人でも簡単に取り付けができる高さがそれほどない既製品のパーテーションなどを指します。

床には固定されていても、間仕切りの上部が天井に届かないものが対象となっていて、耐用年数は3年と定められています。

可動できるが再利用できない間仕切り



取り外しや移動ができる間仕切りタイプのパーテーションでも、構造や形状などによって再利用できないものもあります。

そのような場合は例外として「建物扱い」となり、耐用年数も15年となります。
それぞれの間仕切りの耐用年数

前章でも紹介しましたが、改めて間仕切り工事の耐用年数をまとめると以下のようになります。

移動や取り外しができない『建物』扱いになる間仕切り・・・耐用年数15年
移動させてレイアウト変更が可能な間仕切り・・・耐用年数3年
可動できるが再利用できない間仕切り・・・耐用年数15年

ただし、分類基準はやや複雑になっており、正確な判断は税務署によります。



間仕切り工事の際には消防署への届け出が必要な場合も
床から天井まで隙間がない間仕切りを設置する場合は、消防法に則った手続きが必要となります。

消防法では、間仕切りを増設する場合、消防署への届け出が義務付けられています。

消防署への届け出は、工事を始める7日前までに提出することが法律で定められています。

新しくオフィスを建設する際はもちろん、既に使っているオフィスで間仕切りを増設する際にも届け出をしなければなりません。

ただし、床から設置していても天井までの間に隙間がある間仕切りを立てる場合は届け出をする必要はありません。

消防署への届け出の義務は、天井まで隙間なく壁を作る場合のみです。
間仕切り工事に届け出が必要な理由
天井まで隙間がない間仕切りを設置する場合、消防署への届け出が必要になります。

届け出をする際には、必要な書類を揃え建物を管轄する消防署に提出します。

手間がかかり面倒だと感じる方も多いでしょうが、届け出が必要になるには理由があります。

それは、間仕切りを立てたことで部屋が遮断され、火災が起きた際に危険性が高まるので、人的、物的被害を最小限に食い止めるためです。

そのため、消防署には防火対象物がどのように使用されているのかを知り、消防設備に不十分な個所がないか、建物の安全が確保されているかといった防火の観点から見た工事の内容を確認する義務があります。

防火の観点で不備があれば工事内容の変更や消防設備の増設を指導されます。

規模が大きい間仕切り工事になると、消防法により避難経路の確保についても考えることが必要になってきます。

間仕切り工事で届け出を怠ると消防法違反に



簡易的な間仕切り工事を行う際でも、消防署への届け出を怠ると故意ではなくても知らないうちに消防法違反を犯している場合があり、消防法により罰則を受ける可能性もあるので、注意してください。

違反していた場合、まず届け出をするように指導を受けます。

消防署は届け出内容を審査して、防火や安全の観点から消防設備の設置や工事内容の変更などが必要であれば指導します。

この指導に従わなければ、従うよう警告が出され、それでも改善されなければ行政処分として消防用設備設置命令が下されます。

もし従わなければ、設備設置命令違反として1年以下の懲役または、100万円以下の罰金が科されます。

安全性が確保されない対象物に関しては、使用を停止するように行政処分として使用停止命令が出されることもあります。

従わずに使用し続けると、使用停止命令違反として3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。
 
そして、命令が出されると建物の出入り口に、この建物は防火の観点からとても危険であるという旨の標識が立てられ、建物に出入りする人に危険性を知らせるための措置がとられます。

このような措置を受けないためにも、天井までの間に隙間のない間仕切りを設置する際には必ず届け出をするようにしましょう。
まとめ
簡単に移動ができる簡易的なパーテーションの場合は、消耗品として経理上取り扱いされますが、床から天井までの移動できない間仕切りを設置する場合は、パーテーションを固定資産として減価償却で会計処理することになります。

減価償却になる場合に必要になるのが耐用年数ですが、パーテーションの種類や設置方法で耐用年数は異なります。
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