間仕切り壁の防音効果はどれくらい?オフィスで使われる防音対策
オフィスを使用していくうちに、様々な理由で間仕切りが必要になることがあるでしょう。
周囲に音が漏れることのない会議室や、静かで集中できる仕事環境がほしい場合、間仕切りでの防音対策が有効です。
今回は、オフィスで使われる間仕切り壁の防音効果について詳しく解説していきますので、是非参考にしてください。
社員の増加や会議スペースの増設などを機に、間仕切り壁を後から取り入れるケースは珍しくはありません。
元から高さが決まっている既製品のパーテーションもオフィスではよく使われますが、壁の役目を果たす工事が必要な間仕切り壁もあります。
間仕切り壁には、欄間と呼ばれる上部の空間が空いたタイプと隙間なく埋めるタイプがありますが、これによっても防音効果が大きく変わってきます。
本来の欄間は、天井と鴨居(かもい)または長押(なげし)との間に、通風や採光のために設けられる開口部材のことを指しますが、現在では和風洋風を問わず扉の上部に空いているスペース全般のことも欄間と呼びます。
欄間があるパーテーションは、上部にスペースがあるので風通しがよく、現状の空調を利用することができます。
一方で、防音効果は少なく、仕切りの中で行われる会話や音は外に聞こえる可能性があります。
欄間がないパーテーションの場合、空間を完全に仕切ってしまえば防音効果に十分な期待が持てるため、セキュリティ性の高さを求める場合には適しています。
しかし、空間を完全に仕切ると風通しが悪くなるため、合わせてエアコンの工事が必要になることが多くコスト面での負担はやや大きくなります。
間仕切り壁で部屋を区切る際に、防音効果はどれくらいあるのか気になると思います。
間仕切り壁には防音効果のある材料を使うことで防音性を高めることができます。
防音は「遮音」「吸音」「防振」の方法に分けられます。
これらを組み合わせて防音対策をしていきます。
それでは、防音方法とともに防音材をご紹介します。
遮音
遮音とは音の伝達を遮断することで、音そのものを外部や内部に伝わらないようにすることです。
間仕切り壁に遮音性の優れた建材を使用することで外部に音が伝わるのを防ぎ防音します。
間仕切り壁に使われる遮音効果の高い素材としては、「鉛シート」「石膏ボード」「合板」などが挙げられます。
鉛シートは、重量があるものの薄く軟らかい建材です。
厚みがないのでカットすることができ、間仕切り壁に貼り付けることで防音効果をもたらします。
石膏ボードは、主に石膏で作られた素材で作られたボードで、価格が安く遮音性に優れた建材です。
住宅の壁や天井などにも使われることが多いです。
合板は、鉛シートと石膏ボードを複合させた建材で、厚さがあればあるほど高い防音効果を期待できる建材となっています。
いずれの防音材も間仕切り壁に取り付けることで空気層を構築し音を遮断します。
吸音
吸音とは音の反射を吸収することで反響する音を抑えて防音する方法です。
間仕切り壁の内部に吸音性の高い建材を挿入することで、音の伝わりを吸収して音を小さくします。
間仕切り壁の吸音材として一般的に使われる建材は「グラスウール」や「ウレタンフォーム」などがあります。
グラスウールとは綿状のガラス繊維で作られている建材で、断熱材として住宅の壁や天井などの様々な場所に使われています。
このグラスウールは防音効果の面でも優れており、実際に新幹線の防音壁にも使われているほどです。
ウレタンフォームはポリウレタンを原料とする合成ゴムで寝具などにも使われている素材です。
どちらの建材も、音のエネルギーを建材に使われている素材や内部の空気が振動することにより熱エネルギーに変換されることで音を減衰させています。
防振
振動や衝撃を伝達させることを防ぎ、音の伝わりを制限します。
間仕切り壁に取り付けられた防振材が音の振動を絶縁させ防音させます。
防振材として代表的なものには「ブチルゴム」「防振ゴム」「ゴムシート」などがあります。
エンジンや発電機、洗濯機などの防音やステレオの防音マットなど、さまざまなシーンで用いられることが多いこれらの素材は、音の振動や衝撃を粘弾性のある素材が吸収することで音を遮断しています。
間仕切り壁の素材にこだわり、欄間なしの間仕切りを作ったとしても得られる防音効果には限界があります。
ある程度の防音効果は得られますが、完全に音が漏れない空間を作るためには間仕切り壁だけでは難しいのが実情です。
そのような極めて防音性の高い空間を作るためには、始めから専門の業者に依頼するしかありません。
一般的なオフィスに設ける間仕切りは、パーテーションでも十分な効果を果たしますが、それ以上のものを望む場合は専門の業者に相談してみてください。
また、パーテーションをオフィスに取り入れる場合にはもう一つ注意点があり、届け出を出すことが法律で決められていることです。
欄間があるかないかに関わらず、天井まで届くパーテーションを新たに設置する場合には消防署に届け出ないといけません。
これを怠ると消防法違反に問われるため、注意してください。
間仕切りの防音効果は、欄間があるかないか、そして間仕切り壁の素材によっても大きく変わります。
どれくらい防音効果を求めるかを考えたうえで最適なパーテーションを選びましょう。
間仕切り工事を検討されている場合は、弊社までお気軽にお問い合わせください。