パーテーションの出入り口のドアの種類と特徴を解説
オフィスの空間を間仕切るパーテーション。
会議室や応接室、ミーティングスペースなどさまざまな場所に使われていますが、パーテーションに取り付けるドアにも種類があることをご存知ですか?
機密性が重視されることも多いパーテーションには、ドアに防犯対策を施すことも可能です。
この記事では、パーテーションドアの種類や特徴を紹介します。
パーテーションに取り付けるドアにはどんな種類があるのか一つずつ紹介していきます。
取り付けるドアの特徴によってどんな場所に向いているのかも解説しますので、用途に合った種類を選んでみてください。
片開き型ドア
片開きドアは、扉を押すもしくは引くことで開閉します。
最も一般的に使用されているドアで、価格もリーズナブルです。
どちらか一方に開閉させるものが多く、一般的には部屋内に向けて開けますが、狭い部屋や行き止まりにある部屋などでは廊下側に開ける場合もあります。
目的が主に人の出入り口であるなど、特別他の理由がない場合は、片開きドアを選択することをおすすめします。
親子ドア
親子ドアとは、サイズの異なる2枚の扉を組み合わせたもので、片開きの親扉と小さい子扉で成ります。
普段は子扉を固定したまま、親扉を開閉して使用します。
人が多数出入りする時や、大きな荷物を移動させる時は、子扉も開けて開口を広くして使用できます。
人が多く出入りする会議室や大きな荷物の搬入出が多い倉庫などに向いています。
両開きドア
両開きドアは、片開きドアを2枚組み合わせて作られています。
左右の扉を開くことで開口が広くなり、大きな荷物の搬入時などに便利です。
親子ドアと同様、人が多数出入りする部屋や、荷物の搬入出が多い場所で採用されます。
会議室や倉庫の他に、工場や作業場などにも向いています。
引き戸
引き戸は、上部のレールで扉を吊り、横方向にスライドさせて開閉する仕様になっています。
スライドドア、ハンガードアとも呼ばれます。
片開きドアなどを開閉する際に必ず発生するデッドスペースができないので、扉の前後にスペースがない場所にもおすすめです。
自動ドアやバリアフリー仕様などのバリエーションも豊富で、途中から閉まるスピードが落ちるようになった安全装置付きのものもあります。
軽い力で誰にでもスムーズに開閉できるので、高齢者・幼児施設での利用にも向いています。
2連引き戸
2連引き戸とは、引き戸が2枚連なっているものです。
一般的な引き戸を設置するには引きしろのスペースが少ない場合に選択されます。
ガラスドア
ガラスドアには、スチールやアルミの枠がある框ガラスドアと枠がない強化ガラス製のテンパーガラスドア、ダブルガラスドアなどがあります。
ガラスパーテーションとの組み合わせで採用されることが多く、透過性のある美しい空間にマッチします。
片開きや引き戸、バリアフリー仕様のものもあります。
非接触自動ドア
自動ドアとは、人が力を加えることなく、センサーやボタンによって開閉する扉のことです。
新型コロナウイルス対策として、セキュリティカードや手をかざすだけで開閉する非接触の自動ドアが増えています。
書類やノートパソコンを持ったままでも出入りしやすく、多数の人が出入りする受付や会議室のドアに向いています。
工場や倉庫など手がふさがりやすい現場でも多く採用されています。
スイングドア
スイングドアとは、前後に開閉できる扉で、開閉した後は自動で閉まる仕様になっています。
自動ドアと同様に、人の出入りが多い場所で使用されます。
また、台車が通る時は扉に台車を押し当てて開くことができるので倉庫の扉にも向いています。
自動ドアよりも安価なため取り入れやすいと言えるでしょう。
エアタイトドア
エアタイトドアとは、気密性・水密性のある扉のことです。
床と扉がゴムで密着しているため室内を密閉状態に保つことができます。
パソコンや金庫の現金、株券、契約書、機密書類などオフィスには大切なものが多く保管されています。
窃盗被害が発生した際に、パソコン自体だけでなく、中に入っている情報や顧客データまで売られてしまう被害も起きています。
パーテーションドアに防犯対策をすれば、窃盗の防止効果や、不法侵入にかかる時間を長引かせることができます。
オフィスの中でも執務室には重要な情報やデータが入ったパソコンが置かれていることから、執務室のパーテーションドアには対策が必要です。
経理業務を行う部屋や、高いセキュリティが求められるサーバールーム、その他個人情報を保管している部屋にも防犯対策は必須です。
ここからは、パーテーションドア周りの防犯対策方法について紹介します。
ほぼどのタイプのドアでも防犯対策を講じることは可能ですが、中でも片開きドアは一番隙間が少なくセキュリティ面で優れています。
入退室管理
パーテーションドアに入退室管理システムを導入することで、いつ誰が出入りしたのか遡って調べることができ、トラブルが起きた際にも記録が役立ちます。
入退室管理と一口に言っても、方法がいくつかあり、配線工事不要ですぐに使えるものや配線工事が必要なものなど種類がありますので、それぞれの特徴を紹介します。
・暗証番号錠(テンキー)
暗証番号で解錠できるキーレス錠です。
電気を使わないため配線工事や電池も要らず、使い方もシンプルです。
しかし、同じ番号を長く使用しているとそのボタンの色や数字が印字された部分だけ薄くなり、暗証番号が特定されやすいのが欠点です。
そのため、定期的に暗証番号を変更したり使用頻度の低い部屋に使用するなどといった工夫が必要です。
・電池錠
電池を使用した電子錠で、カードやデジタルテンキーで解錠できます。
毎回数字の配列が変わるランダムテンキーは、ボタンの摩耗によって暗証番号が特定されるリスクを防ぎます。
万が一、第三者に解錠しているところを見られても、設定した数字が分かりにくい点もメリットです。
デメリットとしては、電池交換の手間がかかること、電池が切れた場合に施錠されている状態だとマスターキーを使わないと解錠できなくなることがあります。
・スマートロック
電池錠の発展型として最近人気が出ているのがスマートロックです。
既存ドアに簡単に取り付け可能で、クラウド上で管理ができます。
スマートフォンや社員証が鍵となり、web管理ツールを使い、入退室ログの確認や入室権限の設定などが可能です。
特殊な接着テープなどでドアの鍵のつまみ(サムターン)に設置し、取り外す際もドアを傷つけません。
オフィスを移設・移転する際も再利用できます。
また、緊急時は手動で解錠できるものや、クラウド上で電池残量を確認でき、電池が少なくなると通知してくれるサービスなどもあります。
デメリットとしては、クラウドを利用
するため月額費がかかることです。
ランニングコストにいくらかかるかの確認は必須になります。
・電気錠
電気を使用した電子錠で、カードや生体認証などで解錠ができます。
入退室管理、勤怠管理、警備員の駆けつけサービスなどとの連動が可能で、幅広い用途に使用できます。
電池交換の必要もないので、受付や執務室の出入り口など使用頻度の高い場所に向いています。
生体認証の方法には、指紋認証をはじめ、静脈認証や顔認証などがあります。
顔認証は、マスク着用時も対応できるものや体温チェックも同時にできる製品も開発されています。
デメリットは、設置時に配線工事が必要になることやパーテーションドアの加工が必要になる場合があることです。
侵入防止バー
パーテーションの欄間部分に侵入防止用のバーを取り付けるという方法です。
強度と耐久性に優れたステンレス製のバーを取り付けることで、人が入れないようにします。
サーバールームでは熱がこもらないように欄間を開けることが多く、侵入防止用のバーによって温度調整と防犯対策の両立を可能にします。
防犯カメラ
防犯カメラは設置するだけでも犯罪の抑止効果を得ることができます。
スマホと連動して監視できるタイプでは、オフィスにいなくても人の動きを感知して知らせてくれるので安心です。
新型コロナウイルスの影響で在宅勤務をする人が増え、オフィスに誰もいない時間が多くなったという会社もあると思います。
パーテーションドアまわりに入退室管理システムと合わせて使用することで、ドアを解錠した人の後に付いてオフィスに侵入しようとする人の記録にも役立ちます。
防犯ガラス・防犯フィルム
防犯対策を講じるべき場所のガラスドアや窓付きドアは防犯ガラスにすることをおすすめします。
防犯ガラスとは、2枚のガラスの間に中間膜やポリカーボネートを挟んだ合わせガラスです。
ドライバーやバールによるこじ破りや打ち破りにも高い抵抗力を発揮します。
また、既存のパーテーションのガラスドアや窓付きドアには、防犯フィルムがおすすめです。
防犯フィルムには、ガラスを割れにくくする効果があり、もし侵入者がガラスを割ろうとしても大きな音が出るほど強打しないとガラスが割れないため侵入を諦めやすくなります。
今回はパーテーションのドアの種類や特徴を紹介し、防犯対策についても解説しました。
ドアの選定に大切なことは、用途や目的を明確にすることです。
パーテーションドアにはさまざまな種類があるのでどれを選べばいいのか迷った際にはぜひ参考にしてみてください。
パーテーション・間仕切り工事を検討されている場合は、弊社までお気軽にお問い合わせください。