天井まであるパーテーションを設置する際のメリット・注意点
パーテーションを設置すれば、空間を仕切ることが可能です。
オフィス内に新しく個室や半個室の部屋を設けたい場合は、床から天井までを完全に仕切るタイプのパーテーションが便利です。
今回は、天井まであるパーテーションのメリット、設置する際の注意点について解説します。
パーテーションを用いてオフィスの空間を仕切ることで、簡単に個室や半個室を作ることができます。
パーテーションの高さにも色々あり、大人の身長より低く簡単に移動できるものから天井に届くほどの高さがあるものまであります。
ここでは、床から天井まで仕切れるタイプのパーテーションのメリットについて解説します。
個室が作れる
天井までのパーテーションを設置することで、個室の空間を作ることができます。
会議室や来客用のスペース、休憩スペースなどを新たに設けたい場合に適しています。
視線や音を遮断できる
天井までのパーテーションを設置することで、周りの視線や音漏れが気になりにくくなり、プライバシーに配慮した空間づくりができます。
また、外部からの雑音も遮断できるため、作業に集中しやすくなります。
ロッカールームや貴重品の収納スペースには、施錠可能なドア付きのパーテーションもおすすめです。
選ぶ色によって開放感もありつつ空間を仕切ることができる
天井まであるパーテーションを取り付けると圧迫感が出るのではないか?、部屋が暗くなるのではないか?といった心配もあるかと思います。
しかし、透過性の高い素材を用いたり、透明なガラスパネルなどを上手く組み合わせたりすることで、オフィスをより広く見せることも可能です。
狭いオフィスは、天井までパネルをはめてしまうと、より狭くなると思いがちですが、パーテーションの素材やデザインを上手に活かして使用することによって、オフィスの限られたスペースが広がります。
ただし、透過性の高い素材やガラスパネルを用いたパーテーションは、空間を仕切れても視界は分けないので、視線が気になる場合はブラインドと合わせて設置することで必要に応じて視界を遮る事もできます。
パーテーションには簡単に移動できる可動式のものから、床や天井に固定するもの、素材によってもさまざまな種類があります。
その中でも天井まで高さのあるパーテーションは種類が限られます。
天井までのパーテーションの種類は大きく分けると「オープンタイプ」「クローズタイプ」の2つがあります。
オープンタイプ
オープンタイプのパーテーションとは、欄間(らんま)部分が空いているものです。
欄間というのは、天井と鴨居との間の開口部のことで、採光や通風のために設けられます。
クローズタイプ
クローズタイプには欄間部分がなく、完全に空間を仕切るタイプのパーテーションです。
空間がない分、防音性にも優れているので、セキュリティー性が求められる役員室や大切なミーティングを行う会議室などには、クローズタイプが適しています。
開閉式パーテーション
天井までのパーテーションを設置して壁として固定してしまうと、扉より大きな荷物を搬入したいときなどに融通が利かなくなってしまいます。
天井まであるパーテーションにも、スライド式や折戸式などの開閉が可能なものも用意されています。
柔軟性のある使い方をしたい場合は、開閉式のパーテーションも検討しましょう。
簡単に移動できる可動式のパーテーションと比べて、天井まで設置する場合は工事に手間や時間もかかり、元通りにすることも容易ではないため、色々なことに考慮したうえで設置に取り掛からなくてはいけません。
以下で、天井まであるパーテーションを設置する際の注意点をまとめました。
消防法に基づく届け出が必要になる場合がある
床から天井まで仕切るパーテーションを設置すると、空間の密閉性が高まり、空気の流れが遮られます。
パーテーションが原因で、災害時に火災報知器や消火・排煙設備がうまく作動しなかったり、安全な避難経路を確保できなかったりすると、重大な事態に陥りかねません。
そのため、消防法によって煙感知器、誘導灯などの設置が必要になる可能性が高くなります。
オフィス内の安全を確保するため、天井までのパーテーションを設置する場合は、管轄の消防署へ届け出の提出が必要になる場合があります。
パーテーションの配置によっては、防火装置の新設が義務付けられます。
消防法が定める消防設備の詳細は、次の通りです。
第十七条 学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、旅館、飲食店、地下街、複合用途防火対象物その他の防火対象物で政令で定めるものの関係者は、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設(以下「消防用設備等」という。)について消火、避難その他の消防の活動のために必要とされる性能を有するように、政令で定める技術上の基準に従つて、設置し、及び維持しなければならない。
第七条 法第十七条第一項の政令で定める消防の用に供する設備は、消火設備、警報設備及び避難設備とする。
2 前項の消火設備は、水その他消火剤を使用して消火を行う機械器具又は設備であつて、次に掲げるものとする。
一 消火器及び次に掲げる簡易消火用具
イ 水バケツ
ロ 水槽そう
ハ 乾燥砂
ニ 膨張ひる石又は膨張真珠岩
二 屋内消火栓せん設備
三 スプリンクラー設備
四 水噴霧消火設備
五 泡あわ消火設備
六 不活性ガス消火設備
七 ハロゲン化物消火設備
八 粉末消火設備
九 屋外消火栓せん設備
十 動力消防ポンプ設備
賃貸の場合はオーナーや管理会社に確認が必要
天井まであるパーテーションを設置する場合、床や天井にビスやアンカーなどを用いてパーテーションを固定するため、賃貸の場合は必ず物件のオーナー、もしくは管理会社の許可が必要となります。
エレベーターに搬入できるか確認する必要がある
天井まで高さがあるパーテーションはサイズが大きく、エレベーターに入らない場合があります。
また、破損防止のため、内装工事や引っ越しなどの際に、エレベーター周辺の養生を義務付けているビルも少なくありません。
もしエレベーターでの搬入が難しい場合は、階段や高所作業車などを用いて搬入する必要があります。
事前にパーテーションの搬入ルートについて施工会社とビルのオーナーに確認したうえで工事計画を立てましょう。
空調設備や照明機器への配慮が必要
パーテーションを天井まで設置して、部屋が仕切られると、天井に設置されている空調や照明機器が一方の部屋に行き届かなくなります。
特にクローズタイプのパーテーションはその可能性が高くなるため、新たに空調設備や照明を取り付ける必要が出てきます。
工事中は騒音が発生する
パーテーションの設置工事においては、天井の高さに合わせて材料をカットしたり、天井や床面に固定用の穴を開けたりする工程で大きな音や振動が生じます。
設置工事の際の騒音トラブルを避けるため、ビルのオーナーや他のテナントにも事前に報告して了承を得ておくことが大切です。
オフィスビルでは、他のオフィスや店舗に影響しないよう工事を夜間や休日に限定していることが少なくありません。
一方、マンションの低層階や住宅街にオフィスがある場合は、住民に配慮して平日昼に工事をするほうがよいこともあります。
パーテーションにはさまざまな種類がありますが、その中から自社に合ったものを選んで快適に運用するためには、使用する目的や場面を考慮することが重要になります。
重視するポイントは主に次の3つです。
①素材
パーテーションの素材によって、それぞれ特徴が異なります。
たとえば、断熱性や遮音性を重視するのであれば、石膏やグラスウール入りのスチールパーテーションがおすすめです。
コストを抑えたい場合は、価格が安いアルミ素材のものを選ぶと良いでしょう。
圧迫感を出したくない場合や開放感のある空間にしたい場合は、ガラスパーテーションが適しています。
②色
パーテーションの色によって、空間の雰囲気が大きく変わります。
開放感がある空間にしたい場合は、明るい色を選ぶと良いでしょう。
あたたかみのある雰囲気にしたい場合は、パステルカラーや木目調などがおすすめです。
落ち着いた雰囲気にしたい場合は、ブルー系の色が良いでしょう。
また、社外の人の目に触れやすいエントランスや、応接室にパーテーションを設置する場合は、会社のイメージカラーを取り入れることで強い印象を与えやすくなります。
休憩スペースに設置する場合は、リラックス効果があるといわれているグリーン系を選ぶことで気分転換しやすくなるでしょう。
③仕様
換気をよくしたい場合や、部屋をまたいで空調を効かせたい場合は、オープンタイプのパーテーションを選ぶと良いでしょう。
防音性やセキュリティを高めたい場合は、クローズタイプが適しています。
天井まであるパーテーションをオフィスに設置することで、周りの視線や音漏れを気にしなくなり、作業に集中しやすい環境にできます。
ただし天井まで仕切るパーテーションを設置する際は、消防法に沿った手続きを行う必要があります。
また、設置工事の際はビルのオーナーへの確認や、他のテナントや近隣住民への配慮が大切です。
これらのポイントを押さえつつ、快適なオフィス環境づくりに貢献しましょう。
パーテーション・間仕切り工事を検討されている場合は、弊社までお気軽にお問い合わせください。